ステートメント
「#投票ポスター」は現状約50%という低い投票率を少しでも改善するため、よりよい未来へとつながる変化を求め、多様なポスターを通して投票を呼びかける取り組みとして始まりました。生活と政治は密接に結びついているものですが、なかなかそれに気づきづらい状況にある人や、気になっていても考えている余裕のない人、難しいと感じる情報やイメージが高い壁となり興味を失ってしまう人もいるのが現状です。
そんななか、表現する手段をもつ人々が多様なアプローチで「投票をテーマにしたポスター」を制作したら、視覚的な楽しさや刺激をもとに、もっと多くの人に選挙や政治について考えること、投票に行ったその先の未来のことに興味をもってもらえるのではないかと考えました。
日本では政治のことや選挙のことを「誰かと話してはいけない」と長らくタブー視されてきましたが、タブーのままでは、自分がこの社会で何に困っているのか、何がどう変われば自分たちの生活や未来がよくなるのか、その答えにたどり着くことができません。そんな状況において、グラフィックデザインやイラストレーションなどの「伝える」役割をもつ「表現」が、言葉にしづらいとされてきたことの代わりに伝えられることもあるのではないでしょうか。わたしたちはその可能性に希望を見出し、このプラットフォームを立ち上げました。
ポスター制作に参加している人たちは、この社会で生活している個人として気にかけている政策も、共感している政党や政治家もそれぞれ違います。そのため、それぞれが思い描くポスターも、届けたい人もさまざまで、見る人によってその響き方も違うかもしれません。それでも、個人の声が集まっていること、個人の意識や問題提起を可視化すること、それに共鳴する人とのつながりを断ち切らないため、発起人の3人は、ここに集まった多様な表現を尊重し、連帯します。
また、この企画はポスターを制作することだけでは始まり得ません。ポスターを誰でもプリントアウトしたり貼ったりシェアできるものにすることで、誰かの「伝える」「投げかけ」の手段の第一歩になること、気負わず誰かと投票、選挙、社会の未来、政治について言葉を交わすきっかけになることを願っています。いつもの生活の風景のなかで目にしたポスターから、たったひとりが踏み出した一歩から、変わることもあると信じて。
選挙、そして投票を機に、投票ポスターを「作る」「貼る」「広める」というアクションを通して、わたしたちの暮らす社会、政治について、身近な人と話してみませんか?
表現と政治/投票ポスター2024 企画・運営
岡あゆみ 惣田紗希 平山みな美
#投票ポスター2024とは?
2024年10月に行われる衆議院議員総選挙に向けて、投票率を上げること、投票について改めて考えることを目的として、投票に行くことを呼びかけるポスターを制作したり、そのポスターを家や街中に貼ったり、SNSで拡散したりして、身近な人と選挙について対話するきっかけを生み出すプロジェクトです。これまでに、2021年と2022年に実施された国政選挙、2023年の地方統一地方選挙の際に、「投票ポスター」プロジェクトを毎年行ってきました。
「表現と政治」運営メンバー(詳しくは下記参照)が企画し、イラストレーター、デザイナー、アーティスト、写真家、漫画家など表現をする人たちに声をかけ、ポスターを作っていただきました(投票日まで、どんどん増えます)。SNSでの拡散はもちろん、ポスターを貼れるスペースがある人はぜひお気に入りのポスターを印刷してさまざまな場所に貼ってください。自分の部屋でもOKですし、何種類でも、何枚でも大歓迎です︎! そして、ぜひ投票日を機に身近な人と政治、私たちの暮らす社会のことについて話すきっかけにしてもらえるとうれしいです︎
ポスターを作る
グラフィックデザイナーやイラストレーターはもちろん、表現をしている方々(プロアマ問わず)、生活や社会の中で気になっていることをきっかけに投票を呼びかけるポスターを作って、ハッシュタグ「#投票ポスター2024」とともにSNSにアップしてみませんか?それぞれが届けたい人を想像しながら、誰とどんな対話をしたいか、どういった未来が望ましいのかを考えて制作されたポスターはきっと誰かの気づきになったり、同じような気持ちを持った人の心に届くはずです。
一番の目的はSNSでのシェアや実際に印刷してどこかに貼って、日頃話しづらい政治や社会について身近な人と話すきっかけを生み出すことです。「#投票ポスター2024」のハッシュタグと共にご自身のタイミングで、自由にこのプロジェクトを活用していただけるとうれしいです。もちろんご自身でDL用のデータをアップしたり、ネットプリントに登録していただいて問題ありません!
ポスターをプリントアウトする
ポスターを印刷して、身近な場所に貼ってみませんか? ご自宅のプリンターはもちろん、自宅にプリンターがない場合にもコンビニのマルチコピー機で印刷できます(レーザープリントで出力すると色もきれいに再現されます)。近所の印刷屋さんに相談してみるのもいいかもしれません。*A4サイズのデータですが、A3サイズなど拡大印刷するのもおすすめです。
ポスターを貼る
今回は「#投票ポスター2024」の活動と統一地方選挙について、わかりやすく説明したガイドポスターを作成します(10月15日にアップ予定)。投票ポスターを貼る時の補足のため、またこんなプロジェクトがあるよと身近な人に声をかけるためなどに使っていただけるとうれしいです。そして、ポスターを貼ったら、ハッシュタグ「#投票ポスター2024」とともにぜひSNSにアップしてください。印刷が難しい場合は、画像をSNSでシェアするだけでもちろん大丈夫です。
また、ポスターが日本全国のあちこちで貼られていることを可視化するために、「貼っている場所」のページにはポスターが貼られている場所のリストを作っています。もし、ポスターを貼ってくださった方は、貼ったところがわかる写真やSNSのポストを、以下の内容とともにメールでお知らせください(連絡先、InstagramのDMでも構いません)。
場所の名前/業態/住所(市区町村まででOK)/ウェブサイト(SNSもOK)
*メールやDMの返信、サイトへの反映に時間がかかる場合もあります。ご容赦くださいませ。
︎︎あなたならどこに貼る?
- 自分の部屋
-
通っている学校
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職場
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近所のお店
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いつも行くお気に入りのお店
- 街の掲示板 など
* ポスターを貼る際には、その場所の掲示ルールに従ってください。
*「投票を呼びかける」ポスターは選挙ポスター(特定の政党や政策を応援するポスター)と違って、選挙の当日まで(もちろんそのあとも!)掲示、シェアすることができます!
投票ポスターを「シェアする」
ポスターを印刷したり貼ることが難しい場合には、投票ポスターのウェブサイトからpng画像をダウンロードして、SNSでシェアしてみませんか?シェアすることで、忙しない日々の中で選挙があると気づいていない人にそれとなく知らせることができたり、身近な人と話すきっかけになったり、誰かの心を動かしたりするはずです。また、自分の住む地域の選挙を調べて、書き込み式のポスターにその詳細や自分の意見を書き込んでシェアすることもできるので、より身近な人に届きやすくなるかもしれません◯
衆議院選挙について話してみる
上記のアクションを通じて、身近な人と社会や生活の中で気になっていること、困っていること、今回の選挙について対話してみませんか? 突然政治や選挙についての話を切り出すのはハードルが高いけど、投票ポスターがあれば、話すきっかけが作れるかも。その踏み出す一歩の手助けになれたら嬉しいです。選挙や政治のことを誰かと話すことはタブーとされてきたけど、身近な人と情報交換をしたり、対話すること、そこから政治との繋がりを考えること、こう考えているのは自分だけではなかったという気づきは、わたしたちの社会や生活をいい方向に変える第一歩になるかもしれません。そのきっかけのツールとして、#投票ポスター2024 をぜひ活用してください︎
注意事項
- 特定の政党や候補者を応援したり、揶揄したりする表現は避け、「投票を呼びかける」ポスターを制作してください。また、特定の国や人種、宗教、ジェンダーを蔑むような表現、他者を傷つけるような表現は禁止します。ただし、「ジェンダー平等」「防衛費増額反対」「同性婚の実現」「難民移民政策」についてなどの政策やイシューに着目した表現はかまいません。
- ポスターの著作権はすべて制作者に帰属し、改変や再配布は禁止です。
- ポスターをSNS上で使用する際には「#投票ポスター2024」のハッシュタグとともに、必ず制作者の名前かSNSアカウントを明記してください。そのほかのハッシュタグを一緒に記載することは問題ありませんが、その場合も「#投票ポスター2024」のハッシュタグは必須でお願いします。
- このプロジェクトは特定の政党や候補者を応援するためのものではありません。候補者本人や、 政党や候補者を応援する政治家の方々が自らへの投票を促すためにポスターを使用することは禁止します。
- 公職選挙法により、SNSなどでも選挙日当日の特定政党に対する応援は禁止されていますが、投票を呼びかけることは問題ありません。
- 報道機関や運動団体が自身のメディアやSNSツールにてポスターの掲載を希望する場合は、運営メンバーまで一度ご連絡ください(連絡先へ)。
- その他、何か疑問点があれば「表現と政治」運営メンバーまでご連絡ください。
「表現と政治」とは?
平山みな美(グラフィックデザイナー)、惣田紗希(グラフィックデザイナー/イラストレーター)、岡あゆみ(編集者)の3人による「表現と政治」について対話するプロジェクト。2020年7月に始まり、今までに6回のオンライントークイベントを行っている。︎︎︎ designxpolitics.org
企画・運営:平山みな美、惣田紗希、岡あゆみ
企画デザイン・イラスト:惣田紗希
WEBデザイン:平山みな美